まずは気になっている「しこり」「腫れ」「出血」など、現在気になっている症状を聞きしながら診ていきます。
初診の方は問診票をご記入いただき、発症時期や経過、食欲・元気の変化、全身状態、既往歴などを確認します。

診察室で獣医師が全身を丁寧に確認します。
皮膚や口腔内のしこりは形・硬さ・大きさ・痛み・出血の有無を観察し、体の中に腫瘍がある可能性がある場合は、腹部の触診や聴診も行います。

しこりの性状を調べるため、細胞診（しこりに細い針を刺して細胞を採取）を実施します。
腫瘍の種類や良性・悪性の判断、転移の有無を確認するために、必要に応じてX線検査・超音波検査・血液検査・CT検査などを行います。

検査結果をもとに、腫瘍の性質や進行度をわかりやすくご説明します。
外科手術・内科治療・経過観察など、複数の選択肢を提示し、飼い主さまにご納得いただいたうえで治療方針を決定します。
必要に応じて麻酔リスクの確認や、術前検査についてもご案内します。

外科的に摘出する場合は、腫瘍の位置や大きさに応じた安全な手術計画を立てます。
麻酔中はモニタリング機器で心拍・呼吸・血圧などを管理し、できる限り負担を減らすよう努めます。
腫瘍の種類によっては、病理検査を実施して確定診断を行います。

手術後は入院室で回復を見守り、体調や傷口の状態が安定してからお迎えとなります。
退院時には、今後の経過や再発防止のための注意点、通院スケジュールをお伝えします。

腫瘍は再発や転移を起こす場合があるため、定期的な健康チェックが大切です。
当院では再発チェックのための血液検査や画像検査を定期的に行い、必要に応じて治療方針を見直します。